舌小帯短縮症(俗称、つれ舌)または舌癒着症は、舌の裏側にある膜状の組織が舌の先から歯茎に伸びているために舌の動きが制限される先天性の異常です。 そのため赤ちゃんの時期に哺乳が上手にできなかったり、3~5歳になって発音がはっきりしなかったりします。
赤ちゃんの乳房への吸い付きが悪い “浅飲み”になったり、そのせいで十分な授乳ができずに赤ちゃんの“体重が増えなかったり”します。また舌で上手に吸えない分、赤ちゃんが歯ぐきで乳首を挟んで吸うため、母親の乳首の痛みの原因にもつながります。
特に舌先をつかう「ラ行、タ行、サ行」の発音が不鮮明になったり、舌足らずな話し方になったりします。
食べこぼしが目立ちます。通常固形物を食べる場合にはまず前歯で噛み、口に入った食べ物を上下の奥歯で嚙み潰して唾液と混ぜて飲みこみます。しかし舌小帯短縮症では舌の動きに制限があるため、嚙み切った食べ物を奥歯の方に上手に移動することができず、その結果食べこぼしが起こります。
舌小帯が短いと舌が気道(空気の通り道)を邪魔するため呼吸がしにくくなります。また、舌の位置が通常より下に位置しているため、筋肉のバランスが崩れて気道が狭くなりそれも口呼吸を引き起こす原因となります。ヒトは鼻呼吸が正常とされており、口呼吸が常態化するとお口の中が乾燥し、むし歯・歯周病そして口臭などのリスクがあがります。
上記の通り舌小帯が短いと舌の位置が下がり気道が狭くなります。そのためいびきをかいたり睡眠時無呼吸症候群になりやすくなったりするのです。特に睡眠時無呼吸症候群は日中の眠気を生じたり、高血圧、心筋梗塞、心不全、脳梗塞などの合併症のリスクが高くなったりするため注意が必要です。
特に小さなお子様に多いのが、お口を閉じる筋肉が発達していないために口が開いている状態が習慣となり、そのまま口呼吸になってしまうケースです。
もし、ずっとお口を閉じている状態が疲れてしまうといった場合は、お口周りの筋力が弱い可能性が高いですので、トレーニングにより、意識的にお口周りの筋肉を鍛えてあげる必要があります。
また、お口ポカンの癖があると、舌の筋肉も弱くなり滑舌が悪くなったり、低位舌という舌の位置が変わってしますのです。
一般的には、楽な姿勢をとっているとき、舌の先端は上の前歯の裏側(この位置をスポットポジションと言います)にありますが
お口ポカンの状態が続くと、常に下側に位置するようになり、下の前歯を過度に押すような力が働きます。
それにより噛み合わせが悪くなってしますのです。
舌小帯短縮症のお子様の場合は口が閉じにくく、口呼吸になりがちです。
このような場合は、舌のトレーニングと併用して歯並びを改善するための矯正治療も行ってあげる必要があります。その場合でも、早い段階で治療を開始すれば費用も最小限で済みますので、なるべく早めにご相談されることをおススメします。
切除しても自然と癒着することがあります。再癒着を防ぐためには、術後の舌のトレーニングを行う必要があります。
比較的短時間(30分~1時間)で行う小手術ですが、術後には痛みや違和感を感じることがあります。痛み止めでコントロールできますが、違和感は数日間続く場合があります。
滑舌の改善に効果的な手術ですが、必ずしも改善が得られるとは限りません。舌小帯の短縮が原因で滑舌が悪くなっている場合は手術によって改善が見込めますが、舌の筋力や感覚の問題が原因だと、手術だけでは改善が難しい場合があります。
口腔内の粘膜を切開する手術であるため、出血や感染のリスクがあります。出血は、手術直後に止血剤を塗布することで、ある程度抑えることができます。感染を防ぐためには、術後の口腔衛生を徹底することが大切です。
口腔筋機能療法(MFT:Oral Myofunctional Therapy)…舌の位置と筋肉を鍛えていく方法です。更に唇や頬などといった口周りの筋肉全体のバランスを良くする効果もあります。様々なトレーニング方法があるため、まずは現状の問題点を診査し、患者様の状態にあったトレーニングを選択していきます。本ブログでは「いつでも」「どこでも」「誰にでも」できる方法をご紹介します。それは福岡県にあるみらいクリニックの今井一彰先生が考案された『あいうべ体操』です。特に道具はいりません。次の4つの動作を順に繰り返していきます。声は出しても出さなくてもかまいません。
「あー」と口を大きく開く
「いー」と口を大きく横に広げる
「うー」と口を強く前に突き出す
「ベー」と舌を突き出して下に伸ばす
1~4を1セットとし、1日30セットを目安に毎日続けます。
舌小帯切除術・・・局所麻酔後に舌小帯(舌の裏の筋)を切除します。多少の出血はありますがガーゼで圧迫し止血できるため、縫合の必要がなく患者様のご負担が少ないのが特徴です。傷口は1週間程で治癒します。また保険適応です。なお、外科的処置のあとに先述の機能訓練を併行していくこともございます。こちらは患者様個々の症状にあわせてご案内します。
初回相談のご予約をお願いしております。この際、症状や病歴についての情報を共有していただきます。
専門の医師が患者様の舌小帯短縮症を評価し、必要に応じて追加の検査や診断を行います。症状や治療の適応について説明があります。
評価結果をもとに、個々の患者様に適した治療計画が立案されます。治療方法や手術の必要性について患者様に詳細に説明されます。
手術が必要と判断された場合、患者様との協議を経て手術のスケジュールが立てられます。手術前の準備や注意事項についても説明があります。
手術日には、経験豊富な医療チームが手術を実施します。患者様は手術前に必要な情報と指示を受け、手術後は適切なケアが提供されます。
手術後、患者様の経過観察が行われます。必要に応じて、アフターケアの予約をしていただき、患者様の回復状況や質問に丁寧に対応します。
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